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版画工房N組は2012年に兵庫県の但馬地方の小さな村に設立されました。世代の異なる3名のスタッフでユニットを
組んで共同制作をしています。ここは小さな集落とはいえ、周りには50を超える大小の古墳群があります。
自然の美しいこの環境を考え、私たちは廃棄された物を再利用してRe・Recycleをモットーにオルタナティブを志向
した版画工房の活動をしています。合理的になりすぎた今の時代に、もっと物語性にとんだ版画を提供したいと考え
ております。最近は手作り再生紙でブック・アートの制作も始めました。
楽しい版画物語がこの小さな村から発信出来ればと考えています。


今月のN組版画 (5月)



                                       

                        《海底遺跡 X》2023
                        N組製手漉き再生紙+楮上にコラグラフ
                        H/22×W/15.5cm  Edition :1/1


 海底遺跡 

 かつて栄えたこの国の大都市も 大地震と津波で海底深く遺跡として眠る
 活発な活動をしていた地上の町は失われ 今や水中の無人の静寂に包まれる
 魚や名の知れない水中生物たちの 新たな住処に変わった海底遺跡
 地球上で起る急激な大自然の変化は 人の力ではとても及ばない
 価値を失った貴重な金や機械類は 魚たちには遊び道具でしかない
 変貌を遂げる地球とともに 水底に住む生物たちも急激な進化をとげ
 人の想像を超える 新たな生きものたちが登場してきた


 ©版画工房WERK-STATT N組


今月のN組版画 (4月)




                                        《S.M.モグラ号 VIII》2023
                                        N組製手漉き再生紙+楮上にコラグラフ
                                        H/15.5×W/22cm  Edition :1/1


 S.M.モグラ号

 この国のS.M.(Shield Machine)モグラ号は大都市の地下トンネル工事で大活躍
 地表に近い土中で動き回わり 農作物に被害を与えるモグラ君とは大違い
 この狭い小国は地下都市建設に熱心で 地下深くの生活圏を拡大中
 いつか遠い将来 目の退化した人間になってしまうのも承知で活動をやめない
 ビルの中で稲作を行ない 電気の光と土のない水耕栽培も可能な時代
 人間は宇宙時代にこれらの新技術を発展させ活用するだろう 
 月や火星に地下都市を創り 現地で水や食料も確保出来る時代がやってくる


 ©版画工房WERK-STATT N組


今月のN組版画 (3月)




                                       《サバンナの主 Ⅳ》2022
                                       N組製手漉き再生紙+楮上にコラグラフ
                                       H/23×W/31.5cm  Edition :1/1


 サバンナの主

 このサバンナは豊かな水と木々が茂り 動物や人間たちが平和に住んでいた
 最近の干ばつで水は失われ木も枯れ 生き物は新たな緑を求めて移動を開始
 この平原に年老いたサバンナの主といわれる賢い動物がいた
 部族酋長の話によれば この動物はもう何百年も前からこの一帯に生きていて
 住人たちは 昔からこのサバンナの主と常に行動を共にしてきた
 人の常識を超える超能力をもち 皆の神様のような存在だった
 長年にわたり人や動物たちは主の行動を尊重し 皆が共存し生きのびて来た


 ©版画工房WERK-STATT N組