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版画工房N組は2012年に兵庫県の但馬地方の小さな村に設立されました。世代の異なる3名のスタッフでユニットを
組んで共同制作をしています。ここは小さな集落とはいえ、周りには50を超える大小の古墳群があります。
自然の美しいこの環境を考え、私たちは廃棄された物を再利用してRe・Recycleをモットーにオルタナティブを志向
した版画工房の活動をしています。合理的になりすぎた今の時代に、もっと物語性にとんだ版画を提供したいと考え
ております。最近は手作り再生紙でブック・アートの制作も始めました。
楽しい版画物語がこの小さな村から発信出来ればと考えています。

《Polare IX 》2026
N組製手漉き再生紙+楮上にコラグラフ
H/15.5×W/22cm Edition :1/1
Polare
北極圏の広大な面積の氷が 温暖化で溶け出している
太古からあった氷の大陸が失われ シロクマも狩りが出来ずに飢え
イヌイットたちの村を守ってきた守護犬も 本来の本能がすっかり失われ
村のまわりをウロウロと動き回り 人からもらう餌だけが頼りだ
村の周辺は鉱物資源を求めて自然が破壊され 近代化された重機が動き回る
人々は狩りをやめ 車を操縦する普通の労働者になってしまった
北極圏の地も都市化が進み 未来はどうなるのだろうか?
©版画工房WERK-STATT N組
《春の子Ⅱ》2026
N組オリジナル自家製手漉き楮紙+コラグラフ
H/19.8×W/13.5cm Edition :1/1
春の子
もうどのくらいの時を この種は暗い土中に眠っていたのだろうか?
人間が考える尺度では 理解できない程の長い年月かも知れない
地上が異常な高温になり 深い緑の苔に覆われた春の季節が訪れ
地下に眠っていたこの生命活動が突然始まり 春の子として記録される
とんでもない事が始まったのだ 驚くことに春の子は赤色の芽を出したのだ
この現象に人類は驚きの反応をするしかなかった
真っ赤な未来のアマゾンの森林が想像出来るだろうか?
©版画工房WERK-STATT N組
《着地点 VII》2025
N組製手漉き再生紙+楮上にコラグラフ
H/19.8×W/13.5cm Edition :1/1
着地点
いまや人類は地球から遠く離れ 宇宙の奥深くまで進出していた
多くの未知の星々がある暗黒空間のあちこちには 中間宇宙基地がつくられ
短距離を飛行する偵察船の着地点としても活用されていた
機動性に富んだ数人乗りの小さな偵察宇宙船は 頻繁に宇宙基地をはなれ
宇宙空間に漂う未確認物体や未知の星の詳細な情報収集に専念していた
偵察船が宇宙基地の着地点近くに戻った時は 奇妙な音を出し
レーザー光のような光を発しながら着地点に正確に帰還するのだった
©版画工房WERK-STATT N組