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版画工房N組は2012年に兵庫県の但馬地方の小さな村に設立されました。世代の異なる3名のスタッフでユニットを
組んで共同制作をしています。ここは小さな集落とはいえ、周りには50を超える大小の古墳群があります。
自然の美しいこの環境を考え、私たちは廃棄された物を再利用してRe・Recycleをモットーにオルタナティブを志向
した版画工房の活動をしています。合理的になりすぎた今の時代に、もっと物語性にとんだ版画を提供したいと考え
ております。最近は手作り再生紙でブック・アートの制作も始めました。
楽しい版画物語がこの小さな村から発信出来ればと考えています。


今月のN組版画 (67月)




                                         《虫さんのお家 VI 》2025
                                         N組製手漉き再生紙+楮上にコラグラフ
                                         H/15.5×W/22cm  Edition :1/1
 
  
 虫さんのお家
 
 蜂たちの活動が無かったら 植物の花の受粉が起こらず実もなりません
 地球上に存在する植物も動物も 全てが共存し合って生きています
 生命体の存在には 無駄なものは一つもありません
 人間の環境破壊により すでに多くの貴重な生き物たちが滅びてしまいました
 このような悪い環境から 命が守られる虫さんのお家があったらと思います
 人の手をかりずに自然に発生した まったく新しい生き延びの空間 
 自然界には人の知識や想像を超える凄さと驚きがあります



 ©版画工房WERK-STATT N組


今月のN組版画 (4-5月)




                                         
                        《黄土のモニョ IV》2025
                        N組製手漉き再生紙+楮上にコラグラフ
                        H/22×W/15.5cm  Edition :1/1

  
 黄土のモニョ

 私は黄河上流の砂漠地帯 黄土の地下で モニョモニョしながら住んでいます
 Mが赤く変形してしまい 小さな生き物 黄土のモニョになりました 
 ここでは何年も雨が降らず 最近奇跡的に大雨が降ったのです
 黄色い土が水分を含み緑色に変わり 多くの小さな仲間が新たに生まれました
 人間中心の生活習慣により 地球の気候が大変動をおこしています
 大都市や島々は水没化が進み 将来は人が住めなくなるかも知れません
 砂漠の黄土地帯は森林が生まれ 新たな生きものたちの生活圏になりそうです



 ©版画工房WERK-STATT N組


今月のN組版画 (3月)




                                         
                        《投げ縄名人 IV》2025
                        N組製手漉き再生紙+楮上にコラグラフ
                        H/22×W/15.5cm  Edition :1/1

 
 投げ縄名人

 アジア大陸の内部にある平原に投げ縄の名人がいた
 世界トップクラスの名人かも知れない
 馬にまたがり走っている野生の馬を 投げ縄で上手く捕獲する
 たまには都会に出かけ 舞台に立ちその技を客たちに披露する
 その技の早さとすごさ 驚きと感嘆の声しかない 
 客席のビールを飲む男の手から あっという間にビール瓶を奪ってしまい
 舞台上でそのビールを飲んでみせ 皆の笑いと喝采を受ける



 ©版画工房WERK-STATT N組