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版画工房N組は2012年に兵庫県の但馬地方の小さな村に設立されました。世代の異なる3名のスタッフでユニットを
組んで共同制作をしています。ここは小さな集落とはいえ、周りには50を超える大小の古墳群があります。
自然の美しいこの環境を考え、私たちは廃棄された物を再利用してRe・Recycleをモットーにオルタナティブを志向
した版画工房の活動をしています。合理的になりすぎた今の時代に、もっと物語性にとんだ版画を提供したいと考え
ております。最近は手作り再生紙でブック・アートの制作も始めました。
楽しい版画物語がこの小さな村から発信出来ればと考えています。

《海峡をゆく VII》2026
N組製手漉き再生紙+楮上にコラグラフ
H/23×W/31.5cm Edition :1/1
海峡をゆく
私たちの村は水害、地震などの自然災害や疫病などで 多大な被害を受け
人々は亡くなり、家々は破壊され、人がまったく住めなくなってしまった
生き残った村人たちは 新天地を求めて小さな船で村の港から出航した
目的地がある訳でもなく、経験豊かな船長のもとに多くの海峡を通過してきた
船には食糧の他に動物や野菜、穀物、果物の種や木々などを積み込こみ
水の豊かな温暖で住みやすい小さな島でもいいと みんなは思っている
船上の全ての人に幸いあれと願いつつ 今日も船長は遠い水平線を眺めていた
©版画工房WERK-STATT N組

《Polare IX 》2026
N組製手漉き再生紙+楮上にコラグラフ
H/15.5×W/22cm Edition :1/1
Polare
北極圏の広大な面積の氷が 温暖化で溶け出している
太古からあった氷の大陸が失われ シロクマも狩りが出来ずに飢え
イヌイットたちの村を守ってきた守護犬も 本来の本能がすっかり失われ
村のまわりをウロウロと動き回り 人からもらう餌だけが頼りだ
村の周辺は鉱物資源を求めて自然が破壊され 近代化された重機が動き回る
人々は狩りをやめ 車を操縦する普通の労働者になってしまった
北極圏の地も都市化が進み 未来はどうなるのだろうか?
©版画工房WERK-STATT N組
《春の子Ⅱ》2026
N組オリジナル自家製手漉き楮紙+コラグラフ
H/19.8×W/13.5cm Edition :1/1
春の子
もうどのくらいの時を この種は暗い土中に眠っていたのだろうか?
人間が考える尺度では 理解できない程の長い年月かも知れない
地上が異常な高温になり 深い緑の苔に覆われた春の季節が訪れ
地下に眠っていたこの生命活動が突然始まり 春の子として記録される
とんでもない事が始まったのだ 驚くことに春の子は赤色の芽を出したのだ
この現象に人類は驚きの反応をするしかなかった
真っ赤な未来のアマゾンの森林が想像出来るだろうか?
©版画工房WERK-STATT N組