版画工房 WERK-STATT N組の活動


工房独自のオリジナル版画共同制作、工房独自の版画用再生紙の製作
ワークショップ:子ども〜大人対象のコラグラフ・モノタイプ版画、銅版画、紙漉きなど
展覧会:国内、海外での版画工房WERK-STATT N組版画の展覧会、児童絵画展などの企画展
レクチャー:版画分野を超えた幅広いテーマのレクチャーを開催、人との交流活性化
出前授業及び出前ワークショップ:小学校、幼稚園、文化施設などの他、幅広い分野

N組工房周辺の住人たち 18

December 16, 2021


テンの冬支度




畑の隅にある手作り木製コンポスターには、数日おきに料理
に使っ野菜等の生ゴミが投げ込まれます。堆肥にして畑に
使います。魚や肉類の生ゴミはコンポスターの屋根に出して
おきますが、5分もしないうちにトンビやカラスが来て食べ
まいます。彼らの恐ろしいほどの敏感な習性には驚き
す。時々このあたりに小さな茶色のテンの姿も見かけますが、
近は見かけません。紅葉を終わった葉も11月下旬とも
とだんだんと散ってゆきます。柳の木の頭に生えた沢山
枝は、葉が落ちるのを待って毎年剪定をします。梯子をか
て今年も剪定をしました。真っ直ぐにのびた小枝は豆など
ツル科の野菜を育てるのにとても便利なのです。毎年この
を束にして乾燥しておきます。柳の木の頭は毎年の剪定で
すっかり太くなり、ゴツゴツとした形に変形し凹ん所があ
のです。何とそこに一個の柿を発見しました。きっとテン
の食料のために運んで来て隠していたのです。これには
ました。柿の頭を下にして、木の天辺にちょこん乗っ
てい姿は不思議な光景です。しかも柿が腐らずにまそこ
にあるのも不思議です。工房周辺の動物たちの驚くばかり
生きるめの知恵には興奮します。もちろん柿はテンのもの
ですので、そのままにしておきました。



丹後和紙さんと親睦会が実現

December 15, 2021


コロナ禍が少し落ち着いているときに、丹後和紙の田中さんご夫婦との交流会が
ようやく実現しました。冬場の和紙漉きの現場の様子なども伺うことができ、毎
恒例のN組の夏の紙漉き作業のことでもアドバイスを頂きました。伝統和紙の
状況なども伺いながら、紙職人の誠意ある仕事というお話は非常に印象的でした。
私たちの手作りの食事には畑で採れた冬野菜、落花生、クルミなども味わって頂
きました。普段なかなかお話できないことでも食事を共にすることでいろんなお
いの共通点を発見できました。近頃、人との直接的な触れ合いが限られている
況の中で、ゆっくりお話できた豊かなひとときになりました。









山崎書店/京都 開催のBOOKART2021出展

October 28, 2021





第5波のコロナ禍がありましたが、緊急事態宣言が解除され、N組もようやく
秋の制作活動をはじめました。今年の夏に漉いたN組オリジナル手漉き版画
再生紙を使い、新作の折り本を刷りました。日本語と英語のテキスト付き、
宇宙時代をテーマにした作品です。

作品のタイトルは「お〜い、集合」・「Let’sぺちゃくちゃ」の2点です。
ユニークな宇宙船が登場します!
本来のN組版画はエディションなしの一点刷り版画ですが、今回のBOOKART
展用の作品は希少なエディションで制作しました。
京都の山崎書店で開催されるBOOKART展2021に出展予定です。

昨年の展覧会の内容はこちらで紹介されています
LinkIconBOOK ART展2020



BOOKART展2021
2021年11月23日(火)-12月5日(日)12:00-18:00 月曜日定休日
京都パラダイス(山崎書店2階)


台風前の紙漉(2021年8月4日〜8日)

August 09, 2021

モクモクと真夏の青空に立ち上がる雄大雲。台風9号、10号が太
平洋を日本に向かって北上する。夏のオリンピックも終盤です。
台風前の数日間の晴天を使い今年もN組の紙漉をしました。
昨年とほぼ同時期の紙漉はハードな作業でした。日中は灼熱の
陽で漉いた紙を天日乾燥するには最適ですが、私たちにとって
とても暑くて外での作業には向きません。1回目の紙漉は早朝6時
からスタートです。日中は天日乾燥の作業以外は屋内で休憩や他
の作業を行い、夕方から2度目の紙漉です。せっかく白く綺麗に漉
た紙を、汚れや強風からまもるのは、それは大変なのです。
庭には昆虫やカエルや蛇がウヨウヨ、まわりの木々からは風に乗っ
て細かな葉っぱやゴミが落ちてきます。紙上の汚れが見つかると細
心の注意をはらいピンセットで除くのです。段ボールをミキサーで
き、厚めの溜め漉きをした後に楮の白い繊維を漉き込むのです。
N組版画の一枚一枚にはこんな隠れた紙漉き作業もあるのです。
最終日の8日には台風が九州に上陸したので、デッキの軒下に数枚
三六版のパネル板の濡れた紙の避難です。紙を雨や強風から護る
ため、色々な工夫を重ねて最後にブルーシートで覆って一夜を無事
過ごしました。9年の紙漉の実績を持つN組版画再生紙作りにも、
んな隠れた細かな作業があります。一日のハードな紙漉後はスタ
一同皆で味わう夕食やビールは大変美味しいです。紙漉作
疲れた体にも関わらず、最後にはスタッフの手作りの食事が机の
に並ぶのです。私たちは食べる野菜も版画用紙も版画もみんな手作
りが多いです。









ミョウガの季節到来

July 23, 2021

数日前からN組工房3人そろって活動を再開しております。コロナ禍のなかのオリンピック開催もありますが、私たちはもっぱら版画制作に集中しております。
涼しい早朝から作業を始めると、暑い昼にはお腹がすっかり空いてきます。昼食には冷たい氷の上のソウメンに限ります。数年前に柚子の木の下に植えたミョウガの株も大きく育っているので、もしやミョウガの花が咲いているのではと思いつき、根元近くの薄暗い所に目をやると、何とミョウガの白い花を幾つか発見。これこそソウメンの具には最高です。庭の薮の中には毒蛇のマムシも徘徊しているので、簡単には手も出せません。まずは竹棒でバタバタと地面をたたき、すっと手を出してミョウガを素早くゲットです。すぐに細かく刻んで3人分のソウメンの具になりました。この暑い真夏の昼食には最高の味です。それに氷で冷やした自家栽培のトマトを丸ごとかじるのも格別です。








今年の紙漉き準備がスタート

July 21, 2021

うっとうしい梅雨も明け、毎日が青空の暑い日々が続いています。東京の緊急事態宣言下のコロナ禍でも夏のオリンピックが始まろうとしています。
20日の朝には庭の蓮の花が初めて開花しました。毎年8月初期のN組紙漉きの時期にはきまって蓮の花が沢山咲いて、早朝の庭で花の香りを嗅げるのは特別です。例年は段ボールなどの再生紙を元にN組版画工房独自の手漉き版画用紙を作るのですが、追加で沢山たまった牛乳パックの再生紙も今年は作る予定で準備が始まりました。牛乳パック外側のコーティングされたポリエチレンフィルムをパルプから剥がすためには本来は鍋で煮るのですが、真夏の太陽熱で水の温度をあげて試してみることにしました。いわゆる天然の太陽熱エネルギーを使うのです。今日の日中の温度は40℃を超え、何と42℃の温水になっていました。沸騰とはいかないですが、この温度で試みてみよう。手間ばかりかかるのですが、N組は廃棄された物を再利用してRe-Recycleをモットーにして紙や版画を創っているのだから当然の試みです。