版画工房 WERK-STATT N組の活動


工房独自のオリジナル版画共同制作、工房独自の版画用再生紙の製作
ワークショップ:子ども〜大人対象のコラグラフ・モノタイプ版画、銅版画、紙漉きなど
展覧会:国内、海外での版画工房WERK-STATT N組版画の展覧会、児童絵画展などの企画展
レクチャー:版画分野を超えた幅広いテーマのレクチャーを開催、人との交流活性化
出前授業及び出前ワークショップ:小学校、幼稚園、文化施設などの他、幅広い分野

「新・童美展2023」の審査会と展覧会のご案内

November 30, 2023


保育造形の会主催の「新・童美展」が今年も兵庫県立美術館
ギャラリー棟3階ギャラリーで121日〜3に開催されます。

1950〜2008年に芦屋市で開催されていた「童美展(児童創作
美術展)」は具体美術協会のリーダー吉原治良先生と、多くの
園で美術製作指導をされていた曾根靖雅先生によって大きく発
展してきました。「新・童美展」はその理念を継承した作品公
募展です。自由で感性豊かな表現・型破りな創作を評価する独
創的な展覧会です。かつては具体美術メンバーとして作家活動
されておられた数々の芸術家も審査員をされておられました。

2008年ごろ「新・童美展」立ち上げ時期に、事務局をされて
いる姫路の五字ヶ丘幼稚園に関わる機会がありました。
私たちN組も児童絵画に非常に興味があり、幼稚園の絵画製作
や園児たちの様子を何回も見学する機会がありました。その後
N組も字ヶ丘幼稚園では講演会をする機会も頂き、素晴らし
い昭和の園児たちの作品を見る機会がありました。2013年に
はN組の開設1周年記念として版画工房WERK-STATT N組企
画展「姫路・五字ヶ丘幼稚園〈まぼろしの幼児絵画発掘展〉」
も開催致しました。昨日の審査会には他の審査員と共に長岡と
内藤も参加し、展覧会の記録写真撮影やポスター、チラシのデ
ザインは中村が担当いたしました。保育造形の会の現在の活動
や園児たちのありのままの姿が感じられる力強い作品展をぜひ
ご覧ください!













旧軽井沢でN組版画展を開催中

September 04, 2023


91日から旧軽井沢・ぎゃらりい 一色で展覧会が始まりました。ぎゃらりい
は江戸時代には旅籠でした。近くには有名なつるや旅館もあり、その近くには
軽井沢別荘地の原点であるカナダ人のショー牧師の史跡や教会があります。
またぎゃらりいの裏手には室生犀星記念館もある静かな環境です。









笑い顔のライ麦パン 

August 26, 2023





朝食の食卓に並ぶ手作りのライ麦パンの味も最近はすっかり私たちの味覚にな
じんできた。自分たちの畑で収穫した果物で作った、手作り柚子ジャム、梅ジ
ャム、無花果ジャムとの組み合わせも最高だ。ホームメイドは手間と時間がか
かるが、パン屋さんで買って来たトーストパンにくらべ、手作りライ麦パンの
登場のおかげで最近は時間をかけて良く噛むようになり、健康にも良い。
今回は笑い顔のライ麦パンが登場し、朝から皆で大笑いしたのでここに登場し
てもらった。食品の形態にも一工夫すると視覚的にも味覚的にも皆のゆとりの
ある生活に貢献できそうだ。私たちは版画も紙も出来るだけ手間をかけて自家
製を試みているが、日頃の食生活にも手間と工夫をすると一味ちがう。一般的
に最近の私たちの日常生活は生きるために精一杯で、働き過ぎの味気のない生
活になってしまった。版画制作だけではなく日常のオルタナティブ志向をこう
したささいな行動で高めて行きたい。



N組工房周辺の住人たち 26 

August 25, 2023





庭に頻繁に訪れるクロアゲハ

近頃庭で頻繁に大きなクロアゲハを見かけることが多くな
った 本来はデッキの横にある柚子の大木の葉に卵を産み
つけに時々現れるのだが 昨日工房横のノウゼンカズラの
残り少ない花の蜜を吸っている瞬間を捉えた 花がすっか
り少なくなっているこの時期の蜜は蝶にとっては格別なの
だろうか ゆっくりと庭の空間をあちこち優雅に羽ばたく
姿は 忙しい日常生活を忘れる 今回の写真はオレンジ色
の花と木の緑と黒のコントラストが美しい 黒い羽の一部
にある3つの白い模様も気に入った 他に庭にはモンシロ
チョウや濃い黄色の蝶、シジミ蝶なども時々見かけるのだ
が クロアゲハの大きな美しい姿は格別だ



N組工房周辺の住人たち 25 

August 19, 2023


軒下に無許可で住みついたスズメバチ

先日の昼頃室内があまりに暑いので河側にある勝手口の扉
を開けてデッキに出てみた。宮内川を流れる水の涼しい風
でも室内にと思ったのだが外側はもっと暑くてたまらない。
ふっと空の様子を見ようかと思い上を見たら、何と直径25
cmほどのスズメバチの巣を発見。すでに巣は大き過ぎた。
二階の屋根と平屋の屋根が重なった軒下に私たちに無許可
で巣を作り住み着いていたのだ。ここは日陰で雨からもし
っかり守られている場所で、蜂どもにとっては最適の住処
のようだ。今まで工房周辺の住人たちとは仲良く暮らして
来たとはいえ、スズメバチとは一緒には住めない。猛毒の
針で刺されたら命にも関わる。自分たちで駆除するために
ジェット噴射のスプレーを買い求めたのだが、蜂よけのネ
ット付きの着物も無いのにリスクは大で、数日間考えた末
に経費はかかるが蜂駆除の専門家に電話して対処をお願い
した。それが今日8月19日の午前中だった。おいで頂いた
専門家の話では10月頃まで巣はますます大きくなり、働き
蜂は増加の一途で危険度はますます増すようだ。今後私た
ちもデッキでゆっくり夕涼みすら出来なくなる。ちょっと
滑稽に見えるバケツを頭に被った様な蜂よけ用の白い駆除
用防御服を着て30分で巣は跡形も無く消えてしまった。
さすがはプロの仕事だ。










N組工房周辺の住人たち 24

July 16, 2023





良い住処を見つけた雨蛙

アトリエに行く赤い階段の横に朝顔のために網をはった竹の
棒が残っている。昨年の夏場は真っ白の朝顔の花が咲き乱れ
楽しませてくれた。近くの山で切り出した竹は長年使ってい
るので、雨風ですっかり腐ったり、折れたり、穴があいたり
している。いつの間にかその穴に綺麗なキノコが育ち、ちゃ
っかり雨蛙がその中に住み着いた。丁度竹の節が住処の床に
なり、キノコは屋根になっている。雨蛙は一日中の暑い日差
しや雨風に守られている。キノコが放つ香りに引き寄せられ
て、のんきな虫たちもきっとやって来るのだろう。カエル君
にとっては食事をする最高の住処になったようだ。綺麗な緑
の姿も、もう何日も色んな姿勢で忍耐強く待ち続けている。
いったいカエル達はどんな考えを持ち合わせているのだろう
か?ただただ感心するのみだ。周りの自然界は不思議と驚き
に満ちていて、制作の合間の素敵な目の保養にもなる。ちょ
っと気になるのはビニール製の青い紐はあんまり美しくはな
い。自然界の色や形や素材の持つマチエールなど総て美しい。
次回はビニールをやめて天然素材を使おう。



額装にひと手間かけています

July 15, 2023









梅雨半ば、蝉も鳴き始めアトリエの隅に育つ巨木ノウゼンカズラのオレンジの
花が沢山咲く季節となりました。蒸し暑い日が続きますが、少しずつ9月初旬
に開催予定の軽井沢でのN組展に向けて準備を始めています。先週末は版画制
作をしましたが、夏場はインクの状態が柔らかくなりますので調整しながらの
作業です。画面のイメージから「色や形が語りかけてくるような」楽しい版画
ができました。そして、新作版画用に額を追加注文しました。最近は円安の影
響で何もかも物価高ですが、額も材料も同じ状況です。N組版画はフレーム無
垢の木の木目を活かし、既製品を一度解体して少し手間をかけます。健康にや
さしいドイツ製の白い自然塗料で木目を生かしながら薄く塗り重ねています。
健康に気をつけて、なるべく自分たちで野菜なども作ります。昨日は長岡先生
がライ麦パンを食べたいというのでレシピを参考にして焼きました。庭でとれ
胡桃入りです。美味しいドイツ風のパンになったようです。ライ麦粉が手に
入りましたので、熟成に時間をかければ意外と簡単にできるものですね。
私たちは楽しく版画や額を作って、皆が健康な環境で生活ができるよう、日々
努力をしています。これぞオルタナティブ志向の版画制作です。



「3つの物語」アルメニアヘの旅

July 01, 2023


版画工房N組の新作BOOK ART作品「3つの物語/宙・地・海」は昨年の秋に
完成し、3点版画セットで日本語、英語のテキスト付きで桐箱に入っています。
この小さな桐箱が長い飛行機の旅を終えて、先日アルメニア第二の都市ギュム
リの町Gallery 25の友人アレックサンさんの手元にたどり着きました。
小さな隠れたお話をいたしましょう。





長年親しくおつきあいをしているベルリンの社会心理学者 Dr. イルムトラウト
女史が4月中旬に10日間ほど山陰地方の私たちの住む家を訪れました。
日本海方面の出雲大社、松江城やラフカディオ・ハーン記念館などを案内し、
楽しい数日間の車の旅をしました。温泉に入ったり、美味しい和食を食べたり、
私たちの特別なドイツ語通訳付きで、女史にとってそれは最高の日本滞在だった
ようです。帰国は関空から南周りのパリ経由ベルリン行きの飛行機で、この桐箱
を持っていって頂きました。これが桐箱の日本からベルリンへの最初の旅。たま
たまアレックサンさんのベルリンの友人オットーさんが6月中旬にアルメニアに
行く機会があり、桐箱はベルリンでバトンタッチされアルメニアの首都エレバン
に向かいました。世界中に親しい友人がいると、こんな事も簡単に出来るのです。
親友たちの暖かい行為がお互いを更に親密にしてくれます。プレゼントのように
手紙付きの梱包された桐箱が日本から届いたので、アレックサンさんが喜んで早
速写真を撮って送ってくれました。こうしてお互いの親友同士がまた絆を深めま
した。秋にはギュムリの町にある画廊主催のアルメニア国内 BOOK ART展が開
催予定で、この「3つの物語/宙・地・海」が展示されます。