版画工房 WERK-STATT N組の活動


工房独自のオリジナル版画共同制作、工房独自の版画用再生紙の製作
ワークショップ:子ども〜大人対象のコラグラフ・モノタイプ版画、銅版画、紙漉きなど
展覧会:国内、海外での版画工房WERK-STATT N組版画の展覧会、児童絵画展などの企画展
レクチャー:版画分野を超えた幅広いテーマのレクチャーを開催、人との交流活性化
出前授業及び出前ワークショップ:小学校、幼稚園、文化施設などの他、幅広い分野

「新・童美展2024」審査会参加と展覧会のご案内

December 22, 2024


兵庫県立美術館で新・童美展2024が3日間[12/21(土).22(日).24(火)※23(月)
は休館日]開催中です。審査会で選ばれた0〜5才までの園児たちの作品が展示
されています。

「新・童美展」は58回開催の歴史ある「童美展」の理念を継承した作品公募展
です。1950年〜2008年まで芦屋市で開催された「童美展(児童創作美術展)」
は自由で感性豊かな表現・型破りな創作を積極的に評価する独創的な展覧会と
して知られていました。子どもが本来的に持つ自由で逞しい創造力をありのま
まに評価し、子ども達のほとばしるエネルギーを丸ごと受け止める場として、
「童美展」の理念を継ぎ、2017年より「新・童美展」が開催されております。

審査会では関西(奈良、舞鶴、大阪、姫路)を中心とした幼稚園から出品された
数千点以上の作品が美術館の床一面に並べられ、審査が行われました。
作品には、毛糸やペットボトル、段ボールやトイレットペーパーの芯、バケツ
の蓋、傘などといった私たちの身近にあるものも取り入れられており、子ども
たちの自由で斬新な発想に溢れています。またタイトル(おはなし)が各々付け
られ、豊かな創造力に触れることができます。子どもの力もさることながら各
園の先生方のご尽力があってこそと感じます。
今年も審査員として長岡先生、内藤先生が参加し、展覧会会場撮影・ポスター
チラシ製作を中村が担当致しました。審査会で撮影させて頂いたユニークな作
品の一部をご紹介致します。子どもたちの熱いエネルギーが込められた展覧会
をぜひご覧ください。


















蓮の葉帽子

November 01, 2024





真夏の紙漉きを見守ってくれた庭の蓮。
ピンク色の開花の美しさ。香りもそれは特別でした。

あの緑の葉っぱも今はすっかり萎れて茶色になってしまい
ました。10月になると休眠期に入ったようです
久しぶりのN組版画制作のあい間 デッキでひと時の日向
ぼっこ。遊び心でひらめきました!
蓮の葉っぱを切りとり冠ってしまいました。
この新しい帽子はいかがでしょうか?大笑い?

11月は寒暖差が激しいので、身体にはお互い気を付けて
過ごしましょう。
版画インクが固まる時期でインクの暖房も必要です。
またどこかでN組版画と共にお目にかかれますように…。










蓮の甘い香りと共に2年ぶりの紙漉き

August 14, 2024





今年もN組工房の庭で育てている蓮にたくさんの花が咲きました。
事情があり昨年の8月の紙漉き作業は行ないませんでした。梅雨が明け、台風が
北上していましたが、この5日間N組自家製の再生紙作りをしました。台風の影
響ため雲の流れが早く、時々にわか雨が降り、天日干しには常に注意が必要でし
た。天気が良いと一度に乾燥できますが、今年は雨を警戒しながらの作業でした。

漉く前の事前準備として、再生紙の土台に使用する段ボールの処理に時間がかか
ります。アルカリ性の重曹を入れ、小さくカット済の段ボールが浸してあるバッ
ト内の水を何度も入れ替えます。pH値が中性になるように調整します。
また繊維に塊が出来ないように数段階に分けてミキサーにかけます。
天日干しの段階に行くまでも様々な工夫があります。例えば乾燥が早くできるよ
うにスケタとスケタの足部分の間に角材を挟み、水抜きを行なったり、庭の山萩
の葉っぱや花が風に飛ばされて紙の上に落ちないような場所決めも大事です。
それでもせっかく漉いた紙の上に葉っぱが落ちてピンセットで除去することも多
かったです。

日中の夏の日差しは紙の乾燥に最適ですが、作業するには高温のため体力の消耗
が激しいです。早朝5時から準備を始め、お昼前には午前中の作業を終えます。
合間には熱中症にならないようにN組の庭で育っているビワの葉、柿の葉、桑の
葉、ドクダミやヨモギなどをブレンドしたお茶で水分補給。お昼には畑で採れた
茄子やピーマンの煮浸し、紫蘇ミョウガ生姜をたっぷり載せた素麺をいただき体
の熱が収まります。自然の野草に感謝です。日中は休み、15時頃から再び作業再
開です。1日約12時間もの長い作業でした。


最後になりましたが、今回も丹後二俣和紙さんの特製の楮繊維をご提供頂きまし
た。また丹後二俣和紙の田中さんからの差し入れの葛アイスキャンディにも感謝
す。有難うございました。