版画工房 WERK-STATT N組の活動


工房独自のオリジナル版画共同制作、工房独自の版画用再生紙の製作
ワークショップ:子ども〜大人対象のコラグラフ・モノタイプ版画、銅版画、紙漉きなど
展覧会:国内、海外での版画工房WERK-STATT N組版画の展覧会、児童絵画展などの企画展
レクチャー:版画分野を超えた幅広いテーマのレクチャーを開催、人との交流活性化
出前授業及び出前ワークショップ:小学校、幼稚園、文化施設などの他、幅広い分野

N組工房周辺の住人たち 22

March 01, 2023


梅の枝に土の塊を発見

寒くて雪が多い但馬地方の冬も何とか過ぎ、庭の隅にあった最後の残雪も数日前
に消え去った。日の光を受け地面の草の成長が始まり緑色も増して来た。アトリ
エの窓辺もすっかり暖かくなり、明るい日差しが射し込み制作のエンジンもフル
回転。大きな窓ガラスの外に育つ南高梅の枝に丸い土の塊を発見し、秋頃から気
になっていた。近頃は土の塊近くの梅の蕾が膨らみ始め、すでにあちこちには白
い花の開花が始まっている。ネットで調べるとこの丸い土の塊は、ドロバチの巣
であることが分かった。名前のように泥を使って器用に丸い小型の巣を作り、中
に幼虫の餌となる青虫などを運び込みその後に産卵し土で塞ぐそうだ。ドロバチ
の毒で刺された青虫は麻酔をかけられたように生きていて、卵から孵った幼虫が
これを食べ成長するらしい。発見した土の巣には丸い穴が開いているので、すで
に成虫は巣立っているのだろうか?小さな蜂がこのような綺麗な丸い土の巣を作
る才能があるとは驚きだ。周りの枝に付く丸い梅の蕾と調和した姿にパチリと写
真を一枚撮ったのでご紹介いたします。工房周辺には愉快な住人たちが沢山住ん
でいて、私たちも飽きる事が無く、毎日制作に励んでいます。






「紙の畑 内藤絹子展」開催中!!

November 22, 2022


朝来市のあさご芸術の森美術館1階企画展示室に於いて12月4日まで開催中です。
近作を中心に20点の平面作品を展示しております。
展覧会タイトルの「紙の畑」に関しては、あいさつ文より一部抜粋します。

<今回の展覧会タイトル「紙の畑」は、和紙の原料となる楮畑のことではありません。
四季を通じて家の畑で家族が食べる分だけの野菜を育てていますが、土を耕し、種を
蒔き、水やり、収穫する過程は、天候に左右されるので毎年出来不出来がありますが、
育てることで学ぶことが無限にあります。以前から絵を描くことと少し共通点がある
と感じてきました。また日常生活の中での周辺環境の変化が作品にも編み込まれてい
ると感じているので、今回の展覧会タイトルと致しました。>

美術館の周辺は紅葉が深まり、多方面から人々がお越しくださっているようです。
作品は和紙に版画インクで言葉を描いているので、言葉探しや形や色から様々に
連想出来ますので紅葉狩りのついでにお立ち寄り下さい。美術館ショップには版
画工房N組の作品も展示販売しています。










今年の工房周辺の紅葉と収穫

November 22, 2022


11月中旬には薪ストーブに火入れをします。ストーブの焼き芋は楽しみのひとつ
です。畑の柿は豊作だったので、吊るし柿を沢山つくりました。上手くできたら
友人にもお裾分け出来るかな?庭の柚子の黄色い実やドウダンツツジの赤もきれ
いに色付いてきました。京都と姫路で開催される12月恒例の展覧会の出展準備も
佳境となってきました。京都のBOOK ART展に出品予定のN組版画は限定10部
で桐箱に入っています。今までにない力作だと思っております。ご期待を!









BOOK ART2022の出展準備

October 18, 2022


版画を刷るときには、わたしたちは毎回色見本を作っています。多くあるパーツ
版の色を決める場合は、言葉ではお互いに伝達しにくいのです。作品のイメー
の色を確認し合い、共有するためには色見本はとても重要です。

今回は12月に京都の山崎書店で開催されるBOOK ART展2022の出展作品を刷
した。新作は初めて桐箱に入れた3点セットの折り本作品です。すっかり日
短くなり、寒くなってくる中で暗くなるまで集中して作業しました。庭の柚子
の実も日ごとに黄色の色が濃くなってきました。








ギャラリートークを開催しました

September 11, 2022

昨日14時より「ARMENIA高地から吹く風」のトークがありました。アルメニア
の十字の石拓本プロジェクトの作業記録写真などをスライドで紹介しました。
会場には地元の方々や京都、但馬、姫路などの遠方からもたくさんの方においで
頂き、とても嬉しかったです。









鳥取のギャラリーそらで今日からN組展

September 08, 2022


JR鳥取駅から徒歩約3分のベストロケーションにあるギャラリーそらでN組展の
展示を終えました。大型の台風11号が通り過ぎた翌日の搬入でラッキーでした。
和田山からは国道9号線で鳥取市内まで片道約2時間の車の道のりです。
今回はBookArt作品の大型シート版の展示を含めた、物語性を生かした展示にな
ました。各作品テキスト付きの展示は初挑戦です。10日(土)14時からはギャラ
リートーク「ARMENIA 高地から吹く風」を開催致します。
10日(土)・11日(日)はN組スタッフも在廊しています。










10回目の紙漉き

August 18, 2022


台風8号の影響で蒸し暑い中、昨日まで5日間、N組恒例の紙漉きをしました。
今回はコロナの影響により、例年より一週間ほど遅いスタートでした。台風の
影響で作業中に雨が降ったので、漉いた紙を乾燥させるのがとても大変でした。
本来は真夏の強い日差しのおかげで、天日干しすると一気に乾きます。天候が
不安定でしたので、最後まで気を抜くことはできません。雨のため漉き終わっ
た紙を外に出せないので、屋根下のデッキに一時避難させ、晴れの日に一斉に
乾燥です。雨の日はN組版画のタイトルを決めたり、サインをしました。N組の
手作りの版画用紙は市販されていない特別な紙です。土台には使用済みのダン
ボールを再利用し、紙の表面部分には今年も丹後二俣和紙さんより頂いた自家
栽培の楮繊維を重ね合わせています。厚みのある強い紙です。漉く前の準備段
階で小さくカットしたダンボールを水に浸した後、重曹を入れ、水を何度も入
えて、pH値を確認しながら中和します。紙のサイズも今年はBookArt用に
新しいスケタを準備し、新たな紙作りも試みました。涼しい早朝6時前から作業
を開始しても、1時間ごとに気温が上がり、ホースの水もお湯状態。強烈な暑さ
に負けないように水分補給をしながらN 組自家製の赤しそ入り梅干し、黒にん
にくを頂きながら乗り切りました。