2026年版画工房N組の展覧会の予定
February 01, 2026
工房周辺にも雪の季節がやってきました。数日前に今年初めて
の版画制作を始めました。例年のように寒さで版画インクがコ
チコチに固まるのでストーブで温めて柔らかくします。制作途
中で再びインクが寒さで固まるので、短時間で作業を終えられ
るよう考えて冬の知恵を出します。
今日刷った版画はInfoの「今月の版画」で紹介しています。
2026年のN組版画展の予定
●ぎゃらりい 一色 (長野県旧軽井沢) 8月29日-9月4日
●ギャラリー そら (JR鳥取駅より徒歩5分、サンロード内) 10月7日-10月13日
展覧会が近くなりましたら、N組HPのinfoで詳細をお知らせいたします


アトリエの階段は大雪でジャンプ台に!?
February 01, 2026
先日雪の降った朝、アトリエへ行く外階段はスキージャンプ台
のようになっていました(笑)。この雪では仕事になりませんね。
連日雪が降り積もり、すでに5〜6回の雪掻きをしています。
周辺の大木に小鳥が雪宿りしている姿や小動物の足跡を見かけ
ると心が和らぎます。工房では新しい版画が生まれました。
タイトルは「春の子」です。目には見えないけど、どこかで春
の準備をしているイメージになりました。


「新・童美展2025」作品審査会参加と展覧会のご案内
December 18, 2025
今年も「新・童美展2025」が兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリーで
開催されます。12月19日(金)ー21日(日)10:00-17:00(最終日は15:00まで)
の3日間です。
1950〜2008年に芦屋市で開催されていた「童美展(児童創作美術展)」は自由
で感性豊かな表現・型破りな創作を積極的に評価する独創的な展覧会として知
られていました。「新・童美展」は58回開催の歴史ある「童美展」の理念を継
承した作品公募展です。審査会では関西を中心に奈良、大阪、舞鶴、神戸、姫
路の幼稚園から数千点の作品が美術館の床や廊下にまでびっしりと並べられ行
われました。0歳から5歳までの子どもたちを対象としており、今回の審査会
で選ばれた作品が美術館で展示されます。
幼稚園から運び込まれた作品には各々に子どもたちが考えた「おはなし」が付
いており、審査員の先生方は参加した幼稚園の先生と作品や「おはなし」につ
いて熱心に語り合っておられる姿が見られました。日常にあるティッシュ箱や
トイレットペーパーの芯、卵のプラスティックケース、毛糸やボタン、敷物の
ござ、釘など様々な素材が組み合わされ、自由な発想と工夫に溢れた創造力に
直に触れることができます。また幼稚園の先生方の熱意とサポート力は展覧会
開催には欠かせない存在です。
新・童美展の審査員の中にN組スタッフの長岡、内藤の2名も参加し、展覧会記
録撮影やポスター、チラシデザインは中村が担当致しました。
子どもたちの力強いエネルギーが籠もった展覧会をぜひご覧ください。





オーストリアからの来客
November 24, 2025
数ヶ月前、オーストリア人からN組にメールがありました。
なんとゲーラス修道院で35年前にコラグラフワークショップに
参加した長岡先生の生徒だった方でした。日本へ旅行に行く予
定なので訪ねたいとのこと。すぐに長岡先生と相談し連絡を取
り合い姫路で会うことになりました。先日、再会しようやくド
イツ語で話せてホっとしたのか涙ぐまれて感動的でした。まず
カフェで温かいコーヒーを飲みながら積もる話をした後、彼女
の希望で姫路市立美術館を案内しました。國富コレクションの
近代フランス絵画を鑑賞しました。「欧州では私の知っている
限りこれらの時代の絵画は収蔵庫に眠っていてなかなか観るこ
とができませんが、姫路市にこのようなコレクションがあるこ
とに感動しました」と仰ってました。来年2026年はイタリア
でヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展がありますが、彼女
は美術ジャーナリストの仕事をされているそうです。美術史の
博士号を持ちの方です。遅めのランチは姫路名物「おでん」で
はなく、「とんかつ井上」で揚げたて熱々を一緒にいただきま
した。「このソースを付けるのね。おいしいわ。日本のヴィー
ナー・シュニッツェル(Wiener Schnitzel)ですね」と笑顔。
今回こうして会えただけでとても嬉しかったと。
遠くから、ようこそおいでくださいました。

姫路市立美術館にて
今年2回目の紙漉き再開
August 25, 2025



先日の雨の中の紙漉から丁度1週間目に再び、紙漉きを再開しました。大切な
楮繊維やミキサーで細かく砕いた段ボールのパルプが沢山残っていたからです。
日中の38℃近くまで上がる気温では体力の消耗が激しいです。暑い昼間の時間
帯は避け、涼しい早朝とアトリエの建物で庭に日陰ができる午後から夕方の2回
に分けて作業を進めました。それでも日陰とはいえ蒸し返る暑さです。
1日目に漉いた紙を次の日にも再度天日干しするため、重い乾燥板を二人で運ん
でいる途中、後の私の片手でパチリと撮影した写真に庭の竹の影が綺麗に写り
込んでくれました。思わぬ偶然に気持ちが和らぐ瞬間です。
真剣モードのハードな紙漉作業の間に、ひょっこりと水場に現れる訪問者はトン
ボやカエル、チョウチョなどの虫たち。庭の住人たちが代わる代わるやってきて
とても嬉しかったです。昆虫達もこの暑い夏は突然現れた水場や日陰を好むよう
です。天日干しの紙の上には紙を汚すことなく、ひっそりとスイッチョンでしょ
うか?乾燥段階では大きく波打っていますが、乾いた紙は最後に銅版画プレス機
で強い圧力をかけ、綺麗に平に仕上げます。紙漉は多くの作業がつきものです。
今年の夏は酷暑でしたが、一気に紙を乾かしてくれる太陽の恵みには感謝です。
こうして今後に使うN組手漉き版画用紙もでき、ほっとしたところです。
これからの新作版画制作も楽しみです。
雨の中の紙漉き
August 13, 2025
本来は天気の良い8月初旬の夏ですが、今年の8月9日からの数日間は連日の雨
でした。雨の中での紙漉は初めてです。初日は幸い雨が降らなかったので、例
年通り工房の庭で作業ができました。2日目は早朝よりあいにくの雨でしたの
で、急遽屋根下のデッキの上で紙漉作業を行いました。強風で吹き込んでくる
雨に注意しながらスケタを置く場所を慎重に確保です。漉き上がった紙はすぐ
に天日干しができないので、デッキ内にある長椅子や角材を利用し、先ずはス
ケタを傾けて、漉いた紙に含まれる多くの水分を落とすことが重要でした。
今回も丹後二俣和紙さんから楮の繊維をご提供いただいています。ありがとう
ございました。先日大江町にある紙工房に伺った時、今年は天候不順で雨が少
なく楮の木の成長が遅れていること、また栽培されている楮の木の新芽を鹿が
食べてしまう被害が出ているお話をお聞きしました。一枚の和紙が生まれるま
でには、目には見えない大変な作業があります。
私たちの版画工房N組の版画紙を漉く上で大切な工程は、楮紙をのせる土台に
使用しているダンボールを酸性から中性に調整することです。小さくカット済
のダンボールが浸してあるバット内に、アルカリ性の重曹を入れて、何度も水
を交換し、ダンボールに含まる灰汁や汚れなどを洗い流すことが重要で、でき
るだけ中性紙にしてからミキサーの作業に入ります。今回漉いた紙は雨があた
らないように、一時的にサンルームに避難させました。天気が回復次第、天日
干しで一気に乾燥させる予定です。また、天気が回復次第また数日間は紙漉作
業を再開いたします。






N組工房周辺の住人たち 31
July 11, 2025


小さなアナグマの訪問(2025年7月2日午後1.30時頃の日中)
近頃、版画工房横にある庭に多くの動物達が頻繁に現れます。私たちの仕事場
は村の一番奥まった所にあり、周りは小川や森や田畑ばかりです。自然の中の
一軒家ですので、動物たちが訪れるのも当然かも知れません。
今年3月に植え替えた大きな鉢の蓮の花が咲き出したばかりの近くに、その姿
が現れました。庭の土に鼻を頻繁につけ、ミミズかなにかを食べているようで
す。近くにいる私たちには目もくれず、その辺をウロウロしているのです。
まったく恐れを知らない小さなアナグマです。今年生まれた子どもの一匹でし
ょうか、近くの森の巣穴から出て来た感じです。
私たちも静かに観察をしているのですが、時々こちらを見るだけで逃げ隠れも
せず、庭の昆虫などを食べるのに精一杯のようです。近くに行っても時々こち
らを見るだけで、なかなか逃げません。おかげでかわいい目をした顔もアップ
で撮影出来ました。鼻の穴すら見せてくれたのです。私たちも仕事が忙しいの
で、アナグマはそのまま放っておきました。後で森の巣穴に戻って仲間たちに
報告するのでしょうか?あそこに住む人間達は間抜けで危険ではなく、庭には
美味しい食糧がたくさんあるから、また皆で行こうと伝えているかも知れませ
ん。またぞろぞろとアナグマ達が現れたら、愉快ですね。悪さはしないでね!
バルビゾン村
June 24, 2025

ここ数年バルビゾン村(フランス パリの南東部約50kmにある芸
術村)と兵庫県、朝来市との芸術文化交流が再開しています。
実は2023年秋、朝来市の高校生が文化交流した際に市からのお土
産としてN組版画を持っていかれました。その後、気になっており
ましたが、今年5月にバルビゾン村で一週間滞在制作してきた朝来
市在住のアーティスト大森梨紗子さんがこの写真を撮って送ってく
れました。村の庁舎にあるそうです。19世紀のバルビゾン派の画
家たちを魅了した村ですのでN組も一度訪ねる機会があればいいと
思います。
N組工房周辺の住人たち 30
May 30, 2025


カマキリの子どもたちを発見(2025年5月28日午後3時頃 晴れ)
仕事の合間に工房周辺の畑や庭を見て回るのが私たちの習慣にな
っています。四季を通じて家の周りの自然観察には心が休まりま
す。版画工房のガラスサッシの扉の外にはオリーブの木の鉢があ
ります。冬場は工房内の日のあたる所に入れて冬越しです。但馬
地方の冬の寒さから守るためです。年によって春にはオリーブの
花芽も見かけますので観察していると、不思議な明るい黄色の塊
が枝からぶら下がり、風に揺られながら動いているではありませ
んか。よく見ると小さなカマキリの子ども達です。何十匹もその
塊で下を向いて動いているのです。小さな体には黒い2つの目も
見えます。昨年の秋に産みつけられたカマキリのたまごの殻の中
から蜘蛛の糸の様なものの先に塊になって下がっているのです。
その塊から元気のいいカマキリが順番に上に向き他のカマキリ達
の上をオリーブの枝に向かってどんどん登ってゆきます。それも
凄い早さなのです。黄色の塊が少しずつ小さくなってゆき、上に
ある葉っぱには鈴なりのカマキリの子ども達で一杯になります。
数時間はあちこちの葉っぱの表や裏に固まっておりますが、その
後は他の場所に散って行き、次の日にはあの小さなカマキリ達は
総てオリーブの木から消えていました。これからはあの小さな体
で工房周辺の見えない所で虫を捕食しながら成長して行くのです。
はたしてこの厳しい環境の中で何匹が生き延びて親になるのか楽
しみです。夏場には工房周辺の住人として綺麗な緑色の親カマキ
リを見ることができるでしょう。
N組工房周辺の住人たち 29
May 28, 2025


山椒の実に隠れて生きる
森や田んぼに囲まれた小さな村にある工房周辺の新緑もますます深まって来ま
した。周りの水田もすでに田植が終わり、今年も水で満たされた美しい棚田の
風景が現れました。私達の好きな季節です。畑の隅に育つ朝倉山椒の実の収穫
期になりました。仕事に追われて収穫を忘れていたのですが、昨日車で隣の町
のパン屋さんに出かけた道沿いの畑で、収穫をしているおばさんを見かけたの
です。長年通っているパン屋のおばさんには収穫したてのワラビのプレゼント
を頂きすっかり旬の食材に感激です。
今年も我が家の山椒の実も沢山育ちました。隣町の八鹿の朝倉山椒はブランド
商品として有名ですが、家の山椒の木はあまり大きくないので、籠をもって木
の周りを動けば緑の実は素手で収穫できます。手間はかかりますが、美味しい
自家製の佃煮や山椒味噌が楽しみです。
収穫を終えて、山椒の実を籠に山盛りにして眺めていると、何と沢山の緑の実
の中に小さな四つ目の丸顔姿が動いているではありませんか。数匹います。
よく見ると蜘蛛で、足や頭は緑ですが丸い体は薄い黄色です。この丸い体に目
のような模様がついているのです。擬態の典型ですので早速写真でパチリ。
何と云う名前の蜘蛛か知りませんが、香りの良い山椒の木に集まる虫を餌にし
ているようです。工房周辺には、普段は目につかないこのような小さな住人た
ちが沢山いるようです。これからも周りの自然観察を怠らずに制作を続けます。
