版画工房 WERK-STATT N組の活動


工房独自のオリジナル版画共同制作、工房独自の版画用再生紙の製作
ワークショップ:子ども〜大人対象のコラグラフ・モノタイプ版画、銅版画、紙漉きなど
展覧会:国内、海外での版画工房WERK-STATT N組版画の展覧会、児童絵画展などの企画展
レクチャー:版画分野を超えた幅広いテーマのレクチャーを開催、人との交流活性化
出前授業及び出前ワークショップ:小学校、幼稚園、文化施設などの他、幅広い分野

新しい版画

May 29, 2024


ご存知のようにN組版画はコラグラフ技法を用いた版画ですが、今回の版画は
モノタイプ技法も取り入れました。主なイメージは母体(マトリックス)から
気体のようなものが放出される瞬間のイメージです。「母体」「耳」「吐息」
「矢印」「稲妻」「渦巻」「卵」「わっしゃー」…。このように版のパーツを
スタッフ一同呼び合いながら阿吽の呼吸で作業分担し出来上がります。お互い
職人になったような気分も感じます。これからタイトルを考えます。






5月のビオトープ

May 29, 2024


畑の隅にあるビオトープにモリアオガエルの産卵が始まっています。523
夜中に室内にも差し込む明るい満月でした。その光は様々な新たな生命の誕
生を歓迎しているようでした。朝6時ごろ見にいくと予想していた通り、ビオ
トープの横に植えた野生の桑の枝に4玉ほど卵の泡が下がっていました。毎年、
何度見ても感動します。卵からたくさん生まれる命がどれだけ生き残るかわか
りませんが、生き延びてほしいと願います。

写真の左は産卵を終え泡から離れる雌を偶然にとらえた。






版画工房の訪問者

May 29, 2024


長岡ゼミだった卒業生が二人の子どもを連れて工房を訪ねてくれました。なん
20年振り?!久しぶりに版画をしたいとのことで技法などのアドバイスなど
をしました。長岡先生は1990代半から2010年に毎年夏休みにオーストリアの
ゲーラス修道院に学生を連れてワークショップしていました。彼女もそのうち
の一人。引率した学生は100名ほどいますが、その頃の懐かしい話や近況など
話はつきません。またおいでね!


*彼女は南米先住民ドラム カーハと歌う歌グループの一員として6/23()
「音楽の祭日」みんぱくインテリジェントホール(講堂)で演奏(14:45-15:05)
するそうです。先着400名、無料のようですので興味のある方はぜひ。
*内藤が手に持っているのがチラシです








N組工房周辺の住人たち 27 

April 05, 2024





春は訪問者でいっぱい

長らく記事の掲載をさぼっていたのですが、庭の桜の開花と共に41日は偶然
にも工房周辺の住人たちの訪問者でいっぱいで驚きました。
先ずは朝食の時間帯に例のキツネ君が畑にあるコンポストの周りのチェックに
現れました。少し痩せ気味でしたが、厳しい冬を乗り切り元気で良かった。室
内の私たちをチラッと見て、すぐにどこかへ行ってしまいました。行動が早い
ので真撮影も大変です。昼頃には美しい羽を持つカワセミが川の畔に現れま
した。いつも声は聞いているのですが中々姿を観察するまでにはゆきません。
しかしスタッフの内藤のカメラワークはさすがに年季が入り素早く的確です。
昼食の休憩後に制作の気分転換のため神社の桜の様子を見に出かけました。
日中には村の花見も行なわれます。今日はほぼ満開に近く草むらに座って桜
花の観察を始めて、ふっと向こうの谷間の田んぼに目を向けると何とコウノ
つがいが餌を頻繁についばんでいたのです。何を食べているのか分かり
せんが、私たちの小さな村が気に入ったのか、最近ちょくちょく見かけるよ
になりました。自然に囲まれたこの村に工房を構え、制作が出来るのは幸い
嬉しい事です。これからも自然観察をおこたらず 面白い作品が生まれるよう
力を致します。



工房周辺の野草たちー桜の開花前にー

March 24, 2024



ユキワリイチゲ


桜の開花前、私たちは制作の合間に工房周辺の農道や山裾に
咲く山野草を観察した。冷たい雨を繰り返した後、春がやっ
て来る。先週日曜日は村人たちが川の上流を草刈りしたので
きれいになって歩いていても気持ちがいい。名前はわからな
いけど、紫色のスミレたちも見かけた。川沿いにはクロモジ
に似たアブラチャンの枝には小さな黄色い花がすでに満開を
過ぎていた。そういえばセリバオウレンはもう咲いているだ
ろうか?可憐な白花はよく見ないと通り過ぎるくらいの小さ
な花だ。去年の記憶を辿りながら竹林近くを探すと、今年も
ひっそりと咲いていた。そして足元にはユキワリイチゲが花
びらを開こうとしていた。この花の花言葉は「幸せになる」
だそうだ。花の時期が短いので出合えたらラッキーというこ
とらしい。これから次々と咲く山野草を楽しみたい。新たな
出合いもあるだろう。可憐で地味な野草の姿ですが、どうぞ
ご覧ください。桜の開花まであと10日ほどかしら?



セリバオウレン



たまには映画館に行く

March 24, 2024


豊岡市には豊岡劇場(豊劇)がある。コタツがある映画館は気
に入ったので私たちは最近よく行く。
先日は前から観たかった 「Perfect Days」を観た。ドイツ
の名匠ヴィム・ベェンダース監督と俳優の役所広司氏のセッ
ション映画。ギスギスしがちな現代に、忘れかけていた気持
ちを呼起こす静かな映画でとても良かった。正午の上映だ
ったので、前もって昼食をすませようと映画館のレストラン
覗いたら満席だった。映画館の受付の女性のオススメで隣の
喫茶店に行き、日替わり定食を食べた。思ったよりも手の込
んだ手料理だった。本棚に地元の奇才画家の本があったので
読んでいると面白い。帰りに店主に尋ねてみたら、まだこの
絵描きは存命でこの店の常連客だというので、一度会ってみ
たいな。






手作りの竹箒(2024.02.13)

February 15, 2024





今日はあの寒くて暗い大雪の日と対照的に暖かい小春日和が
やって来ました。私たちも不思議な事に自動的に朝から庭に
て動物達のように動き回りました。手作りの竹箒を作り、
今年の薪を積む手製の木棚の修理、大雪で枝が折れた枇杷の
木の葉の収穫と大わらわでした。今年も枇杷の葉を乾燥して
草茶ができます。庭仕事は冬に欠けていた日光浴にも最適
でしかも体にも健康です。暖かい太陽のありがたさが感じら
れます。今日は素人の手作り自慢話ですが自作竹箒をご紹介
します。昨年村の山から切りだして乾燥しておいた竹から、
太い竹は畑の野菜棚に、細い枝も葉っぱも皆倉庫に保管して
おいたのです。既製品の古い竹箒が壊れてきたので、これを
参考に悪戦苦闘のすえ自家製竹箒誕生です。版画や自分の作
制作の合間に、このような手作業も大切です。出来るだけ
自分たちで出来る事は自己流でやってみる。いわゆるオルタ
ナティブ志向の生活と作品制作です。皆様にもお薦めです。






2024 新年の近況

January 31, 2024







今年は暖冬と言われていたが、但馬地方に住む私たちには雪がないと調子がで
ない。元日に起きた能登半島の地震から1ヶ月が経った。数年前に訪ねた輪島
や珠洲市の旅を思い出す。今でも漆の塗り物のお碗や七輪は使っている。最近
は世界中どこでいつ何が起こるかわからない危機感があり、人ごととは思えな
い新年を迎えた。
新年のN組工房の近況です。今月24-25日にかけて大雪が降り、1日で約50cm
の雪が積もり家の周辺は雪で閉ざされた。幸いにも早朝に大型除雪車がやって
きたので道路確保はできたのだが、家の入り口などは自分達で雪かきが必要で
大変でした。2日後には太陽がでて一気に雪溶けし、雪塊は斑になる。そんな
中、N組工房では次の新たな作品の刷りを行った。冬は特に白インクの油分
寒さで固まるので、作業の30分前には薪ストーブの熱で柔らかくする。この時
の薪ストーブ上はお茶用のヤカンや昼のスープの鍋などで一杯です。業中、
日本には四季があるが、N組の版画は四季を感じないという話になった。作品
物語性は四季を超えているので、これもまた良いのではないかと言いながら、
共同制作を楽しんでいる。版画制作も2013年からスタートしていて、気づけば
もう11年目となった。出来上がった版画作品は自分達で写真撮影しデータ管理
をしているのでその作品の多さに驚いた。展覧会で買って頂いた方からは 玄関
に飾ってますよ と写真を送ってくださった方もいた。今年もぼちぼちと制作が
んばります。



N組作品Book Art「3つの物語/宙・地・海」がアルメニアで展示される

January 02, 2024


数日前にアルメニア第2の都市GyumriにあるGallery 25の主人アレックサンさ
んから「書とBook Art 2023」の記録写真データが送られて来ました。
例年行なわれている「書とBook Art 展」はすでに9月に行なわれ、N組も桐箱
入りの「3つの物語」を送付し展示されました。作品がアルメニアまで届けられ
た面白い話題はすでに皆様にご紹介いたしました。
展覧会の写真がこんなに遅くなってしまったのには事情があります。アルメニア
とアゼルバイジャンとのナゴルノ・カラバフ紛争で起こった戦争で多くのアルメ
ニア兵の犠牲者が出て、カラバフから何万人ものアルメニア人が故郷に避難して
きました。日本ではあまり報じられておりませんが、現在はアルメニアでも地域
紛争で大変な時期なのです。それでもGallery 25の文化的な活動は少しも衰えず
活発に続けております。私たちも熱い声援を送りたいです。今回はわざわざ3点
の作品展示のために木製の箱を作り展示されたようです。アレックサンさんの報
告ではGyumriにも美術大学があり、若い美大生たちにはN作品が大変な評判に
なったようです。私たちの作品を通じて国際的な文化交流が出来て良かったです。
アレックサンさんからも来年もぜひN作品を送って下さいとのことでした。