バルビゾン村
June 24, 2025
ここ数年バルビゾン村(フランス パリの南東部約50kmにある芸
術村)と兵庫県、朝来市との芸術文化交流が再開しています。
実は2023年秋、朝来市の高校生が文化交流した際に市からのお土
産としてN組版画を持っていかれました。その後、気になっており
ましたが、今年5月にバルビゾン村で一週間滞在制作してきた朝来
市在住のアーティスト大森梨紗子さんがこの写真を撮って送ってく
れました。村の庁舎にあるそうです。19世紀のバルビゾン派の画
家たちを魅了した村ですのでN組も一度訪ねる機会があればいいと
思います。
N組工房周辺の住人たち 30
May 30, 2025
カマキリの子どもたちを発見(2025年5月28日午後3時頃 晴れ)
仕事の合間に工房周辺の畑や庭を見て回るのが私たちの習慣にな
っています。四季を通じて家の周りの自然観察には心が休まりま
す。版画工房のガラスサッシの扉の外にはオリーブの木の鉢があ
ります。冬場は工房内の日のあたる所に入れて冬越しです。但馬
地方の冬の寒さから守るためです。年によって春にはオリーブの
花芽も見かけますので観察していると、不思議な明るい黄色の塊
が枝からぶら下がり、風に揺られながら動いているではありませ
んか。よく見ると小さなカマキリの子ども達です。何十匹もその
塊で下を向いて動いているのです。小さな体には黒い2つの目も
見えます。昨年の秋に産みつけられたカマキリのたまごの殻の中
から蜘蛛の糸の様なものの先に塊になって下がっているのです。
その塊から元気のいいカマキリが順番に上に向き他のカマキリ達
の上をオリーブの枝に向かってどんどん登ってゆきます。それも
凄い早さなのです。黄色の塊が少しずつ小さくなってゆき、上に
ある葉っぱには鈴なりのカマキリの子ども達で一杯になります。
数時間はあちこちの葉っぱの表や裏に固まっておりますが、その
後は他の場所に散って行き、次の日にはあの小さなカマキリ達は
総てオリーブの木から消えていました。これからはあの小さな体
で工房周辺の見えない所で虫を捕食しながら成長して行くのです。
はたしてこの厳しい環境の中で何匹が生き延びて親になるのか楽
しみです。夏場には工房周辺の住人として綺麗な緑色の親カマキ
リを見ることができるでしょう。
N組工房周辺の住人たち 29
May 28, 2025
山椒の実に隠れて生きる
森や田んぼに囲まれた小さな村にある工房周辺の新緑もますます深まって来ま
した。周りの水田もすでに田植が終わり、今年も水で満たされた美しい棚田の
風景が現れました。私達の好きな季節です。畑の隅に育つ朝倉山椒の実の収穫
期になりました。仕事に追われて収穫を忘れていたのですが、昨日車で隣の町
のパン屋さんに出かけた道沿いの畑で、収穫をしているおばさんを見かけたの
です。長年通っているパン屋のおばさんには収穫したてのワラビのプレゼント
を頂きすっかり旬の食材に感激です。
今年も我が家の山椒の実も沢山育ちました。隣町の八鹿の朝倉山椒はブランド
商品として有名ですが、家の山椒の木はあまり大きくないので、籠をもって木
の周りを動けば緑の実は素手で収穫できます。手間はかかりますが、美味しい
自家製の佃煮や山椒味噌が楽しみです。
収穫を終えて、山椒の実を籠に山盛りにして眺めていると、何と沢山の緑の実
の中に小さな四つ目の丸顔姿が動いているではありませんか。数匹います。
よく見ると蜘蛛で、足や頭は緑ですが丸い体は薄い黄色です。この丸い体に目
のような模様がついているのです。擬態の典型ですので早速写真でパチリ。
何と云う名前の蜘蛛か知りませんが、香りの良い山椒の木に集まる虫を餌にし
ているようです。工房周辺には、普段は目につかないこのような小さな住人た
ちが沢山いるようです。これからも周りの自然観察を怠らずに制作を続けます。
N組工房周辺の住人たち 28
May 03, 2025
庭に鹿が現れる
また1年が過ぎてしまいました。工房周辺の山々や森は新緑の木々で覆われ、
この時期の柔らかな美しい緑の色彩は日本独特です。今年の庭の桜も満開にな
り皆とデッキで白ワインを飲みながらの花見もできました。すでに桜も散り新
緑の4月28日の早朝に何年ぶりかで、庭に雌鹿が現れました。
日頃の忙しさに追われ、長らくこの覧の記事の掲載をさぼってしまいました。
姫路の内藤絹子展も無事終わりましたが、早起きはいつもの時間帯です。朝7
時頃、新緑の庭を眺めると三つ葉ツツジのあたりで、鹿がこちらを見ているで
はありませんか。その辺を歩き回っている間に部屋のカメラを持ち出しパチリ
と撮影に成功でした。ピンボケですが目が光っています。いつもは山の奥で声
は聞くのですがなかなか姿は見せてくれません。鹿達の行動心理は分かりませ
んが、なぜ今頃村に現れたのか分かりません。この季節は食糧には問題がない
はずです。鹿が去った後すぐに畑に行きましたが、植えたばかりの夏野菜には
被害がありませんでした。工房の庭を鹿が歩き回るのは嬉しくて感動的です。
戦争やいやな事ばかりが増えている現在の世の中ですが、私たちの生活圏に野
生の動物達が歩き回るのは歓迎です。でも人に危害を加える腹の空いた熊はご
免です。人間達にも責任があるはずです。例えば温暖化のせいで山が荒れ、彼
らの食糧不足もあることでしょう。人類と野生の動物達が安全に共存出来る世
界が戻れば良いです。昔の村人は里山などを良く管理して、人と動物達の生活
圏を理解していた様な気がします。工房で作業中の私たちを静かに覗いてくれ
る動物達が現れれば嬉しいな〜あ!
内藤絹子展のお知らせ
April 01, 2025
姫路のギャラリー ルネッサンス・スクエアで内藤絹子展が4月12日から始まります。毎年12月のチャリティ展にN組版画を出品しているギャラリーです。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ。
「ことばの森 内藤絹子展」
4月12日(土)〜27日(日)
午前10時〜午後5時 (最終日午後4時まで) 水曜休館
【会場】
ギャラリー ルネッサンス・スクエア
〒670-0940 姫路市三左衛門堀西の町205-2
(株) パナホーム兵庫1F
TEL.079-224-8772
Eメール:r-s@hyogo.panahome.co.jp
何年振りかの大雪
March 01, 2025
再び寒波が日本列島にやってきました。但馬地方にあるN組
工房も厚い雪で真っ白になりました。工房横の市道は除雪車
が来てくれるのですが、敷地内は自分たちで雪掻きをしなく
てはいけません。そこで手持ちのスノーダンプやスコップが
登場です。これでやっと車の出入りできます。雪かきで時間
が取られますが、休憩時に温かいお茶を飲むのは最高の時間
です。これで今シーズンの雪はもう御免ですね(笑)
2025年!はじまり、はじまり。
February 01, 2025
新年2025年がスタートしました。
皆さまお元気でお過ごしでしょうか?外はとっても寒いので
すが、工房横には蠟梅が咲きいい香りがしています。
工房の小さな秘密をここでご紹介します。工房のインク棚に
「インクの塔」と呼んでいるものがあります。版画の刷りで
は残ってしまったインクは使えませんので、この「インクの
塔」に毎回塗布します。捨てるのはもったいない。
長年堆積してきたので奇妙なオブジェになりました(写真)。
先日、今年初めてのN組版画を刷りました。
「今月の版画 2月」にテキストとともに掲載しますのでHPの
infoをどうぞご覧ください。昨年より版画インクが値上がり
しています。大事に使わないといけませんね。