版画工房 WERK-STATT N組の活動


工房独自のオリジナル版画共同制作、工房独自の版画用再生紙の製作
ワークショップ:子ども〜大人対象のコラグラフ・モノタイプ版画、銅版画、紙漉きなど
展覧会:国内、海外での版画工房WERK-STATT N組版画の展覧会、児童絵画展などの企画展
レクチャー:版画分野を超えた幅広いテーマのレクチャーを開催、人との交流活性化
出前授業及び出前ワークショップ:小学校、幼稚園、文化施設などの他、幅広い分野

「新・童美展2025」作品審査会参加と展覧会のご案内

December 18, 2025


今年も「新・童美展2025」が兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリーで
開催されます。12月19日(金)ー21日(日)10:00-17:00(最終日は15:00まで)
の3日間です。

1950〜2008年に芦屋市で開催されていた「童美展(児童創作美術展)」は自由
で感性豊かな表現・型破りな創作を積極的に評価する独創的な展覧会として知
られていました。「新・童美展」は58回開催の歴史ある「童美展」の理念を継
承した作品公募展です。審査会では関西を中心に奈良、大阪、舞鶴、神戸、姫
路の幼稚園から数千点の作品が美術館の床や廊下にまでびっしりと並べられ行
われました。0歳から5歳までの子どもたちを対象としており、今回の審査会
で選ばれた作品が美術館で展示されます。

幼稚園から運び込まれた作品には各々に子どもたちが考えた「おはなし」が付
いており、審査員の先生方は参加した幼稚園の先生と作品や「おはなし」につ
いて熱心に語り合っておられる姿が見られました。日常にあるティッシュ箱や
トイレットペーパーの芯、卵のプラスティックケース、毛糸やボタン、敷物の
ござ、釘など様々な素材が組み合わされ、自由な発想と工夫に溢れた創造力に
直に触れることができます。また幼稚園の先生方の熱意とサポート力は展覧会
開催には欠かせない存在です。
新・童美展の審査員の中にN組スタッフの長岡、内藤の2名も参加し、展覧会記
録撮影やポスター、チラシデザインは中村が担当致しました。
子どもたちの力強いエネルギーが籠もった展覧会をぜひご覧ください。














オーストリアからの来客

November 24, 2025


数ヶ月前、オーストリア人からN組にメールがありました。
なんとゲーラス修道院で35年前にコラグラフワークショップに
参加した長岡先生の生徒だった方でした。日本へ旅行に行く予
定なので訪ねたいとのこと。すぐに長岡先生と相談し連絡を取
り合い姫路で会うことになりました。先日、再会しようやくド
イツ語で話せてホっとしたのか涙ぐまれて感動的でした。まず
カフェで温かいコーヒーを飲みながら積もる話をした後、彼女
の希望で姫路市立美術館を案内しました。國富コレクションの
近代フランス絵画を鑑賞しました。「欧州では私の知っている
限りこれらの時代の絵画は収蔵庫に眠っていてなかなか観るこ
とができませんが、姫路市にこのようなコレクションがあるこ
とに感動しました」と仰ってました。来年2026年はイタリア
でヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展がありますが、彼女
は美術ジャーナリストの仕事をされているそうです。美術史の
博士号を持ちの方です。遅めのランチは姫路名物「おでん」で
はなく、「とんかつ井上」で揚げたて熱々を一緒にいただきま
した。「このソースを付けるのね。おいしいわ。日本のヴィー
ナー・シュニッツェル(Wiener Schnitzel)ですね」と笑顔。
今回こうして会えただけでとても嬉しかったと。
遠くから、ようこそおいでくださいました。



姫路市立美術館にて



今年2回目の紙漉き再開

August 25, 2025









先日の雨の中の紙漉から丁度1週間目に再び、紙漉きを再開しました。大切な
楮繊維やミキサーで細かく砕いた段ボールのパルプが沢山残っていたからです。
日中の38℃近くまで上がる気温では体力の消耗が激しいです。暑い昼間の時間
帯は避け、涼しい早朝とアトリエの建物で庭に日陰ができる午後から夕方の2回
に分けて作業を進めました。それでも日陰とはいえ蒸し返る暑さです。

1日目に漉いた紙を次の日にも再度天日干しするため、重い乾燥板を二人で運ん
でいる途中、後の私の片手でパチリと撮影した写真に庭の竹の影が綺麗に写り
んでくれました。思わぬ偶然に気持ちが和らぐ瞬間です。
真剣モードのハードな紙漉作業の間に、ひょっこりと水場に現れる訪問者はトン
ボやカエル、チョウチョなどの虫たち。庭の住人たちが代わる代わるやってきて
とても嬉しかったです。昆虫達もこの暑い夏は突然現れた水場や日陰を好むよう
です。天日干しの紙の上には紙を汚すことなく、ひっそりとスイッチョンでしょ
うか?乾燥段階では大きく波打っていますが、乾いた紙は最後に銅版画プレス機
で強い圧力をかけ、綺麗に平に仕上げます。紙漉は多くの作業がつきものです。
今年の夏は酷暑でしたが、一気に紙を乾かしてくれる太陽の恵みには感謝です。
こうして今後に使うN組手漉き版画用紙もでき、ほっとしたところです。
これからの新作版画制作も楽しみです。



雨の中の紙漉き

August 13, 2025


本来は天気の良い8月初旬の夏ですが、今年の8月9日からの数日間は連日の雨
でした。雨の中での紙漉は初めてです。初日は幸い雨が降らなかったので、例
年通り工房の庭で作業ができました。2日目は早朝よりあいにくの雨でしたの
で、急遽屋根下のデッキの上で紙漉作業を行いました。強風で吹き込んでくる
雨に注意しながらスケタを置く場所を慎重に確保です。漉き上がった紙はすぐ
に天日干しができないので、デッキ内にある長椅子や角材を利用し、先ずはス
ケタを傾けて、漉いた紙に含まれる多くの水分を落とすことが重要でした。

今回も丹後二俣和紙さんから楮の繊維をご提供いただいています。ありがとう
ございました。先日大江町にある紙工房に伺った時、今年は天候不順で雨が少
なく楮の木の成長が遅れていること、また栽培されている楮の木の新芽を鹿が
食べてしまう被害が出ているお話をお聞きしました。一枚の和紙が生まれるま
には、目には見えない大変な作業があります。

私たちの版画工房N組の版画紙を漉く上で大切な工程は、楮紙をのせる土台に
使用しているダンボールを酸性から中性に調整することです。小さくカット済
のダンボールが浸してあるバット内に、アルカリ性の重曹を入れて、何度も水
を交換し、ダンボールに含まる灰汁や汚れなどを洗い流すことが重要で、でき
るだけ中性紙にしてからミキサーの作業に入ります。今回漉いた紙は雨があた
らないように、一時的にサンルームに避難させました。天気が回復次第、天日
干しで一気に乾燥させる予定です。また、天気が回復次第また数日間は紙漉作
業を再開いたします。

















N組工房周辺の住人たち 31

July 11, 2025







小さなアナグマの訪問(20257月2日午後1.30時頃の日中)

近頃、版画工房横にある庭に多くの動物達が頻繁に現れます。私たちの仕事場
は村の一番奥まった所にあり、周りは小川や森や田畑ばかりです。自然の中の
一軒家ですので、動物たちが訪れるのも当然かも知れません。
今年3月に植え替えた大きな鉢の蓮の花が咲き出したばかりの近くに、その姿
が現れました。庭の土に鼻を頻繁につけ、ミミズかなにかを食べているようで
す。近くにいる私たちには目もくれず、その辺をウロウロしているのです。
まったく恐れを知らない小さなアナグマです。今年生まれた子どもの一匹でし
うか、近くの森の巣穴から出て来た感じです。

私たちも静かに観察をしているのですが、時々こちらを見るだけで逃げ隠れも
せず、庭の昆虫などを食べるのに精一杯のようです。近くに行っても時々こち
らを見るだけで、なかなか逃げません。おかげでかわいい目をした顔もアップ
で撮影出来ました。鼻の穴すら見せてくれたのです。私たちも仕事が忙しいの
で、アナグマはそのまま放っておきました。後で森の巣穴に戻って仲間たちに
報告するのでしょうか?あそこに住む人間達は間抜けで危険ではなく、庭には
美味しい食糧がたくさんあるから、また皆で行こうと伝えているかも知れませ
ん。またぞろぞろとアナグマ達が現れたら、愉快ですね。悪さはしないでね!